荒れ障子にひらく無数の目

目々連

もくもくれん / 目目連 / 目目蓮

破れ障子の一枡ごとに、目が開く。見ているのは家か、碁打ちの執心か、それとも値のつく怪異か。

目々連の立ち絵

危険度・希少度

D
戦闘力
C
敵対性
A
稀少性
煙霞跡無くして、昔、誰か栖し家の隅々に、目を多く持ちしハ、碁打の栖し跡ならんと

鳥山石燕『今昔百鬼拾遺』

概要

目々連は、荒れた家の障子や隅々に無数の目が現れる妖怪。鳥山石燕の創作的な図像を軸に、津軽の商人譚などが後に結びついた。碁盤の目、障子の目、人の目を重ねた見立ての妖怪でもある。見る側と見られる側を反転させる存在である。

出現

人の住まなくなった屋敷へ一人で泊まると、破れ障子の枡目に目がぎっしり開く。月明かりの障子、古い家、誰もいないと思う油断が出現の場を作る。こちらが見ているつもりの家から、無数の視線が見返してくる。廃屋の静けさが一斉に目を開く。

伝承

鳥山石燕『今昔百鬼拾遺』下之巻「雨」に「目目連」として収録される。山田野理夫『東北怪談の旅』には、津軽で商人が無数の目を集めて売る話が見え、石燕の図像に具体的な怪談の筋が加わった。研究上は石燕の創作性も指摘される。

特徴

家や障子そのものに宿り、踏み込んだ者を無数の視線で見返す。直接襲いはしないが、目はただの模様ではなく、摘み取って袋に入れられるほど実体を持つ。逃げる者には恐怖を、動じない者には奇妙な収穫を与える。家全体が一つの視覚器官になる。