花曇りの海に浮かぶ怪異

うきもの

浮き物 / 浮物

薄曇りの海に、あるはずのない島が浮かぶ。船頭が指をさし、侍が「近づけ」と命じる。こわごわ舳先を向ければ、うきものは溶けるように消えていく。海の上には、島の数だけ嘘がある。

うきものの立ち絵

危険度・希少度

D
戦闘力
D
敵対性
A
稀少性

概要

うきものは、新潟県の粟島に伝わる海の怪異。5月から6月ごろの花曇りの日に、海上へ巨大な魚とも陸地ともつかない物体が浮かんで見える。おおよそ決まった場所に現れるが、人が近づくと消え去ってしまう。害を与えた記録はない。

出現

粟島の周辺の海で、花曇りのような明るい薄曇りの日に出会う。船を進めていると、あるはずのない場所に島影めいたものが浮かぶ。巨大な魚かと近づけば、うきものは溶けるように見えなくなる。出る時期も場所もおおよそ決まっているという。

伝承

柳田國男監修『綜合日本民俗語彙』(民俗学研究所編、平凡社、1955年)などに記録される粟島の海の怪異。正体は魚の大群、海鳥の群れ、未確認の巨大魚などと諸説あるが、近づくと消えるため確かめられず、実態ははっきりしない。

特徴

巨大な魚とも島ともつかない姿で海面に浮かび、ときに海上を移動する。人が船で近づくと、その気配を察したかのように消え去ってしまう。出現の時期は初夏の花曇り、場所もおおよそ一定しており、不意に人を襲うたぐいの海の怪ではない。